妙深寺を知る
妙深寺ブログ
令和の新月も過ぎました。
令和の新月も過ぎました。今朝は京都に向かっています。
少し時間が経ってしまいましたが、坊主ヨガについて書かせていただきます。
太陽と月の間に地球が位置する満月の日。太陽と地球の間に月が入る新月の日。
当たり前のことですが、こうした宇宙の営みは地球上の全てにとってかけがえのない意味を持っています。
特に満月の日は地球は太陽と月の引力の中心に位置するため、最もバランスの取れた状態と言えます。約46億年間、ずっと続いてきた営みです。
そんな満月の日に生まれ、満月の日に悟りを開き、満月の日に入滅したといわれるのがブッダ(仏陀・釈迦牟尼仏・釈尊)です。
満月の日を選んで行われる「坊主ヨガ」は仏教的なメソッドに則って「心のデトックス」を行っています。
ご存じのとおり「デトックス」とは「解毒」「有毒物や不純物、老廃物を排出する」という意味です。。
太陽と地球と月の力、仏教のマントラの力を借りて、心に溜まった毒素、不純物、老廃物を外に出し、心と身体を解放します。
「信愛(信頼)のヨガ」と呼ばれる「バクティヨガ」はインドやネパールで最も広く行われているヨガです。神や仏の名、様々なマントラを唱え詠うことによって身体と心を潤すメソッドのことです。
ネパールのポカラで参加したレクチャーは、音楽のギグのようでした。規則正しいリズム、美しい音色、そしてマントラを詠唱してゆくのです。
古代インドの仏教学者・ヴァスバンドゥ(天親・世親)のまとめた『瑜伽師地論(ヨーガ行者の階梯についての論)』は仏教の哲理から見たヨガの深層心理学。こうした教説に基づけば「心のデトックス」の方法が見えてきます。
※『金剛頂瑜伽経』『金剛頂経瑜伽十八会指帰』『金剛頂瑜伽中発阿耨多羅三藐三菩提心論』『金剛頂経大瑜伽秘密心地法門義訣』など密教の中で深化しましたが、思想体系化というよりも広範な解釈が試みられたという内容です。パタンジャリが編纂したとされる『ヨーガ・スートラ』が世界各国で読まれていますが、仏教は対立軸ではなく実際にはさらなる深層心理、深層真理を説いたとするのが妥当です。
【 アーラヤ識 】
すべての行いは「種子」となって心(魂)の蔵に埋められている。それは時空を超えて保存され、ある一定の条件が整うと発動し、その時の保持者に影響を与えてゆきます。
精神衛生上「忘れる」ことは大切です。しかし実際に行った事実や起こった出来事が消滅したかというとそうではない。
表層で装っていても、アーラヤに蓄積された種が時を得て噴出することがあります。こうした抗いがたいエネルギーを「業」や「カルマ」と呼びます。
【 マントラの力 】
「言霊(ことだま)」の力。日本人のよく知る言葉の持つエネルギー。
マントラはあなたの心と身体を突き抜け、想像以上に善悪の影響を与えています。 身体も心も言葉の影響を受ける。美しく、優しく、尊い言葉を発する人は幸せになります。
より善き行為を積み重ねてアーラヤに蓄積してゆくことが大切です。しかしながら果たして善行は知らず知らずに行っている悪行に勝るか。なかなか難しいものです。
マントラを唱えることによってアーラヤに溜まった不純物や老廃物を押し出す。これが「心のデトックス」の基本です。
【法華経のマントラ】
“Namu Myo Ho Ren Ge Kyo”
数あるマントラの中で最も広く世界中で唱えられている法華経のマントラ。『妙法蓮華経(The Lotus Sūtra, सद्धर्मपुण्डरीक सूत्र, Saddharma Puṇḍarīka Sūtra)』に出現する「上行菩薩(Visistacaritra,विशिष्टचारित्र, Viśiṣṭacāritra)」によって伝えられると約束された法、ダルマ、マントラ。日本語と解釈せず、ひとつの「音」「波動」「バイブレーション」とする。宇宙の本源的な生命を表す「声」「マントラ」。
声こそが、身体にも、心にも、見える世界、見えない世界にまで届き、共振させてくれます。
姿勢を正して、唱えることにフォーカスして、おへその少し下から声が出してゆく。
こうして唱え重ねてゆくだけで、意識せずとも腹式呼吸は実現し、難しいとされている様々な状態が整ってゆきます。
考えて到達しない、いろいろと勉強して、練習して、到達するのでもないということなのですね。
たとえば、国も、言葉も、文化も異なる人たち、ご高齢の方も、子供でも、誰でも出来る修行、誰でも得られる効果と効能、万能の薬、万民へのメソッドとして説き現されたのが「お経の中の王様」と呼ばれる『法華経』の奥義でした。
実際、世界中でその効果を実感している人がいることは当然で、現代的な「宗教」という枠の中に閉じ込めてしまうのがもったいないくらいです。
これは「コズミック・マントラ(Cosmic Mantra)」の最たるものと言えます。
ジョン・レノンさんとオノ・ヨーコさんのことは誰でも知っていると思います。
そのヨーコさんは様々なアーティストが参加した「プラスティック・オノ・バンド(Plastic Ono Band)」のアルバムで「Namyohorengekyo」という曲を収録しています。
高額ですが今もAmazonで販売されている「Onobox ボックスセット」の6枚目に「12. Namyohorengekyo」があります。YouTubeでも視聴できます。
不思議な感じですが、とにかくヨーコさんにとって「Namu Myo Ho Ren Ge Kyo」というマントラが特別だったことを示していますね。
東日本大震災の後、オノ・ヨーコさんが被災者に送ったメッセージには下記のようなことが書かれていました。
「愛する日本のみなさん、私は今、私自身がそこにいて、みなさんと一緒にこの大災害に襲われたように、ぼう然としています。私はつい最近、東京を訪れて、この街がいかに美しく、清潔で、平穏であるかを喜んでいました。私がとても愛しているこの国に、このような大災害が起こることは、まったく予期していませんでした。
ある年、私の夫ジョンとショーンと一緒に東京のホテルにいました。朝のことでした。突然、地震が私たちを襲ったのです。私は当時まだ小さかったショーンをすぐに抱いて、扉が開いたクローゼットの中に入り、しっかりとショーンを抱きしめてうずくまり、南無妙法蓮華経を唱えつづけました。 地震がおさまった後、ジョンは笑って、なぜ、私が扉が開いたクローゼットの中に座っていたのか理解できないと言いました。私はそれは、骨組みによって守られるので、重要なことなのだと言いました、少なくとも、私が子どものときに教わったことでした。ジョンとショーンと私が経験した地震は、みなさんが経験したようなものでは、まったくありませんでした。でも、そのときの記憶で私の身体は今、震えています。」
また、Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライブのホームページには下記のようなQ&Aが掲載されています。
Q「南無妙法蓮華経を唱えることはどのような意味がありますか?ジョンも南無妙法蓮華経を唱えることはありましたか?
A「ジョンは唱えませんでした。私は小さいときから周りの人たちが唱えていたのを見て覚えたわけです。一種の音楽みたいなもので、意味を知らなくても、ただ唱えるだけで心が静まるようなものです。ヨーコ▼東日本大震災で被災した日本のみなさんへ オノ・ヨーコ 2011年4月12日」
「南無妙法蓮華経」を、変に宗教くさいと遠ざけてしまったり、唱えられなかったりするのはとても残念ですし、その教えや修行の普遍性からすると遠回りですので、ここに書いてみました。
坊主ヨガは、ちょっと変わったレッスンですが、その奥には壮大な哲理や教理があることを知っていただければと思いました。
「日夜朝暮に又懈らず磨くべし。何様にしてか磨くべき。只南無妙法蓮華経と唱へたてまつるを、是をみがくとは云ふなり。」(『一生成仏抄』日蓮聖人)
“May the merits we have accumulated by this offering,
Be bestowed among all the living beings,
And may we together with all the living beings attain the Enlightenment of the Buddha”
本門八品所顕上行所伝本因下種の南無妙法蓮華経。
Namu Myo Ho Ren Ge Kyo,,,
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