うつ病について

 

 

1、うつ病はどんな病気なのでしょうか?


・誰でもかかる可能性のある、ごふありふれた病気です。


・身体のエネルギーが低下したような状態です。


・いわゆる「精神病」ではありません。


・見かけよりずっと苦しい病気ですが、適切な治療で治ります。

 

 

2、うつ病は治療を必要とする病気です


・うつ病では、物事を悲観的に考えたり思考力が低下します。


・うつ病には「くすり」と「休養」が治療上大切です。


・個人差はありますが、回復まで3か月くらいかかります。


・治療がうまくいくためには、ご本人やご家族が病気を正しく理解して、治療に参加していただくことが大切です。

 

 

3、うつ病とは

 

・落ち込みとは違う

うつ病は正常なゆううつや落ち込みとは違います。気分転換しても気分が晴れず、その状態が2週間以上続きます。


・ありふれた病気

欧米での疫学調査によると、女性の5人に1人、男性の10人に1人が生涯に一度うつ病になると言われています。


・なりやすい性格

律儀で、責任感が強く、徹底性や他人との関係を重んじる一方、やや柔軟性に欠ける性格の人が、状況の変化をきっかけにうつ病になることが多いようです。


・うつ病の原因

脳の神経伝達機構の障害による脳機能の低下が考えられています。


 

4、うつ病の症状は?

 

うつ病では、身体、精神に、さまざまな症状があらわれます。

 

① 身体症状

眠れない(特に深夜や早朝に目が覚める)、朝方、調子が悪い。身体がだるい。食事がおいしくない。

 

② 精神症状(抑うつ)

新聞を読む気がしない。テレビがおもしろくない。お化粧するのがおっくう。集中力がない。趣味や好きなこともやりたくない。

 

などがあります。

 

 

 

 

 

 

5、うつ病の治療

 

・うつ病の治療は、休養を十分にとり、心も身体も休ませることが大切です。


・また、抗うつ薬はエネルギーを蓄えるのに役立ちますが、効果がでるまでは時間がかかります。


・抗不安薬はエネルギーの使い過ぎ防止に役立ちます。

 

 

6、軽症うつ病について

 

・誰でもかかる

うつ病は誰でもかかる可能性のある疾患で、日本においても、WHOの推計では総人口の3~5%(360~600万人)ぐらいはうつ病患者と思われていますが、実際に治療を受けている患者さんは非常に少ないのが実情です。

その理由は、軽症うつ病では精神症状が表に現れず、主に身体症状を訴えるため、患者さんは該当する一般診療科を受診するからです(例えば、おなかが痛ければ消化器科、めまいがすれば耳鼻科、腰が痛ければ整形外科など)。

 

・一般診療科の対応

以前は一般診療科の医師にも「うつ病には身体症状を伴うものがある」との認識は薄く、さまざまな検査によっても異常が見つからないため、特にうつ病の治療が行なわれていませんでした。

しかし、最近は「かかりつけ医のうつ病研修会」で一般診療科医もうつ病の初期治療に対応してきています。

実際に「うつ病」と診断され、治療を受けている患者さんは氷山の一角で、認識されているうつ病患者さんの下に、医師に認識されていないうつ病患者さん、その下に患者さん自身が病気とは気がつかないうつ病患者さんがいます。

 

 

7、くすりについて

 

・服薬方法

服薬方法と効きかたは、少量から飲み始めて、もっとも効果がでる量まで少しずつ増量するのが望ましいとされています。増量したころ(飲み始めてから2~4週間)に効いてくるとされています。すぐ効かないからといって、くすりをやめないことが大切です。


・服薬期間

飲み続ける期間は、症状がよくなってもしばらくくすりを飲み続けることが大切です。基本的には一生飲み続けるものではありませんが、重症の場合やうつを繰り返す場合は長期的に飲み続けることが必要です。


・副作用

主な副作用は、吐き気や胃のむかつき、口が渇く、尿が出にくい、急な高熱・発疹、便秘、眠気、性機能の低下、まれに不安感や死にたいと思う気持ちが強まることがあります。


飲み始めてしばらくの間や、24歳未満の若い人は要注意です。気になる変化があったときはすぐに医師に連絡をしてください。

 

 

8、急性期のすごしかた ~症状がとれるまで~

 

・こころの休養がとれる環境づくりをしましょう

うつ病では、物事を悲観的に考えたり思考力が低下するためにうまくいきません。無理に気分転換をせず、ゆっくりとこころを休めましょう。

 

・具体的に負担を軽くしましょう

しばらく仕事を休んだり、仕事を減らしましょう。家庭の主婦であれば、家族に助けてもらい、家事の負担を減らしましょう。

 

 

 

 

 

 

9、うつ病と上手につきあうために(患者さんへ)

 

・できる限り休養をとりましょう。


・病気は一進一退です。


・がんばったり考え込んだりしないようにしましょう。


・人生上の重大な決定をしないようにしましょう。


・主治医の指示に従って、安心して薬を服用しましょう。

 

 

10、社会復帰に向けて

 

・社会復帰をはじめる目安

復帰への意欲が出てきたら、少しずつ社会復帰をはじめましょう。

軽いおっくう感が残ることがありますが、ゆっくりおさまりますのであわてないようにしましょう。

 

・社会復帰のはじめかた

定期的に出社時間に図書館や喫茶店にでかけてみましょう。

主婦の方は負担の軽い家事からはじめ、生活リズムを整えましょう。

 

・気をつけるポイント

具体的・計画的な復帰計画をたてましょう。

仕事に復帰する場合には、半年くらいかけて元の仕事量に戻しましょう。

 

・治りかけのあせりに気をつけましょう

治りかけの時期に必要以上にあせってしまうことがあります。

ペースを落として無理をしないようにしましょう。

 

 

11、ストレスをためないためのヒント

 

① 何事もほどほどできりあげる。


② 義務や責任にこだわらない。


③ 負担なことはまわりと分担する。


④ 困っても一人で悩まず人に相談する。


⑤ 小さな達成でもそれを評価する。


⑥ 自分の性格を知る。


⑦ マイペースな生活をする。


⑧ 環境が変化する時は、十分に休養を。


⑨ アルコールの飲み過ぎに注意。

 

 

12、うつ病と上手につきあうために(家族の方へ)

 

・とにかく休ませること


・励ますよりあたたかく見守る


・患者さんをよく観察し、受診には付き添う


・きちんと服用しているかをチェック


・必要なときにはためらわず入院

 

 

 

 

13、回復は一進一退。治療は根気よく

 

・うつ病は、よくなったり悪くなったりの波があります。


・一時的に悪くなっても必ず回復します。そのことで悩みすぎず、根気よく治療しましょう。

 

 

14、弱気、マイナス思考は病気のせい

 

・うつ病では、症状として、弱気、マイナス思考、自責感があらわれることがあります。


・これは病気のせいで、決して「弱虫」「怠け者」ということではありません。

 

 

15、治療中は、好きなことを自然体で

 

・休養とは安静にすることではありません。


・罪責感は持たないように。ただし、疲れたら休みましょう。


・規則正しい生活を心掛ける必要はありません。自然体で過ごしてください。

 

 

16、服薬は重要

 

・薬は休養とならんで治療に必要なものです。絶対に、勝手な判断で服薬をやめないでください。


・副作用などで気になることがあれば、医師・薬剤師に相談しましょう。

 

 

 

 

 

 

17、絶対に自殺を実行しない

 

・うつ病では症状として自殺を考えることがあります。


・これは病気のせいですから、絶対に自殺を実行しないでください。

 

 

18、重大な決断は棚上げを

 

・うつ病のため、マイナス思考や悲観が強くなり、正しい判断ができなくなることがあります。


・人生にかかわる重大な決断は、病気が治ってからにしましょう。

 

 

19、励まさないで、完全休養の手助けを(ご家族の方へ)

 

・励まさないで、ゆっくり休養できるよう見守ってあげてください。


・完全に休養できない場合は、ペースダウンをさせましょう。


・患者様が「死にたい」と言った場合は、それほどつらいことをわかってあげてください。


・その上で、その考えがうつ病からきていることを伝え、治療に戻してあげましょう。

 

 

20、症状の回復に一喜一憂しない

 

・うつ病の回復には波があります。一喜一憂しないようにしましょう。


・無理のない範囲で日課をつくり、取り組みましょう。できない日があってもいいのです。焦りは禁物です。

 

 

 

 

 

 

21、以前の生活のリズムに徐々に近づける

 

・改善したように見えても、まだ波が残っていることがあります。


・本来の生活リズムに、徐々に近づけていきましょう。


・日課をこなすようにがんばってみましょう。

 

 

22、再発予防のため、服薬を続け生活を改善しましょう

 

・再発予防のため、少なくともあと 6カ月は服薬が必要です。


・うつ病にかかる前の生活スタイルや、行動について、もう一度考えてみましょう。


・気になる症状がまたあらわれたら、早めに受診してください。

 

 

 

2017年06月24日